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< もう還暦> |
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| 過ぎ越し方を振り向くと、ただただ生きることに無我夢中、もがいているうち還暦を迎えていた。これが実感である。これまでに身近な人々の還暦を目撃してきたが、自分にはまだまだと思いこんでいた。なんと人生の日々は速やか過ぎいくことだろう。 いやはや、次の誕生日には、子供たちから赤い下着など贈られ、照れ笑いを浮かべることになるのかもしれない。 思うに、わたしは幼児のときから体に障害を抱え、何となく、自分はそれほど長くは生きられないのではないかと思っていた。なにしろ20歳の頃、同じ病で共に入院していた同世代の病友たちはすでにこの世にいない。従ってその思いこみにはそれなりの根拠があるのだ。 高校生の時に始めた家庭教師のアルバイトが、そのまま現在の学習塾につながった。それは結局40年もの長きにわたる。 |
ヤマブドウ |
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その間私の前にはいつも大勢の子供達がおり、自分も彼らの仲間のような気分で過ごしてきた。これが精神を若く保ち、いくつもの危機を乗り切ってこれた最大の理由だろう。 ここ10年あまり、子供の時に生じた体幹障害に左足の障害が加わった。それ故2本の杖なしには歩けないと言う、一層やっかいな体になったが、気持ちには相変わらず勢いがある。1昨年、やり残していた高校卒業を果たし、その後慶應大学にすすみ勉学の日々を過ごしている。 → |
→ 学問することが私の最大の趣味だが、それを職業として人生の大半を過ごしたうえ、今尚、本格的な学問が出来るとは、我が人生、なんと恵まれたものかと感謝の念に満たされる。 ここからはますます子供に還って、純朴無邪気に日々の課題に取り組もうと思う。良寛和尚は、日々村の子らと遊び暮らしたという。 私も、人生模様決して甘くはないが、たとえ次々難題の訪れがあったとしても、それらを真正面から迎えて、落ち着きのある又楽しい歩みを創っていきたい。 |
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霜 |
若い日以来、休むことなく襲い来た苦難の砥石によって磨かれた、我が経験が今後、人様に役に立つ場面もあるだろう。
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