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エッセイ93-Essay93-2002.10
< ピーヒョロロー> |
![]() 「ピーヒョロロー」 私は近くの枝にいるカケスに向かって裏声で呼びかけた。というのもカケスはトンビの声帯模写が大変上手であり、私の声かけに答えてくれたことがあったからである。 すこし待ったが返事がない。またトンビとなって鳴いてみた。突如、頭の上から「ピーヒョロロー」。大きな声が帰ってきた。重なった枝や葉で発信者の姿は見えなかったが、それは私が知っているカケスの声ではない。 「、、、この声はもしかすると、、、」 私はもう一度「ピーヒョロロー」。 またも頭上から「ピーヒョロロー」。 「間違いない。この声は確かに本物のトンビだ。カケスじゃなくてトンビが返事をくれているんだ。!」 「やったー。トンビと会話成立。」私は喜びに包まれて遊歩道をゆっくり歩き始めた。 「飛べ飛べ トンビ 空高く 、、、ピーヨロー ピーヨロー 、、、」トンビの歌を口ずさんでいた。 4月、白樺樹液採取で始まった私の森遊びは、トンビとの交流で今年の幕を閉じようとしている。もこもことタヌキが走っていた、エゾシカが跳ねていた。大きなカラスヘビが現れて脅かされもしたが今年も愉快な森暮らしであった。 今、風が尾根をはしり森がうなる。雲が飛び去り、カラカラと枯れ葉の歌が響いている。 |
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