<白樺を飲む>
今日二十二日は、久々に春らしい穏やかなひよりに恵まれた。きのうまでの何日にもわたる雪模様は、いかに北国の住人といえども、いささか気がめいるものであった。
それ故、今日の、空のあおさ、ぽっかりぽっかり流れていく千切れ雲の白さがひときわ嬉しく、心なごむ眺めだった。
四、五日前から、松の下枝落としをはじめて、森の見通しもすっきりしたものになってきた。かなりハードな作業だったが、冷たい風がかえって能率を上げるのに役立った。
そんななかで、昨日、ためしにドリルで白樺に穴をあけてみると、すでに水の吸い上げがはじまっていた。
その穴にストローを差し込み、ペットボトルに樹液を受けるように細工した。二時間ほど作業してから見にいくと、三百ミリリットルほど貯まっていたので、さっそく味見した。飲んだ後、ほんのり口に甘さが残って、じつにおいしい。
これは森の滴(しずく)、森の精。
そして今日、一層太い木に仕掛した。三時間の重労働の後、喉の乾きに、たまらず駆け寄ると、すでに一リットルも貯まっていた。
一気に半分も飲んだだろう。あまりのおいしさに、またたくまに体の疲れも消え失せて、さらに一時間の作業をしてしまったのだ。
これから半月ほどの間、樹液を飲むことができる。おーい白樺君達、また明日も頼むよ。私はウキウキご機嫌で、今、我が愛機FMVに向かっている。