Forest of OKHOTSK
エッセイ18-Essay18-   18.07.1996

<花、花、花>


 今年の天候は、さっぱりわからない。5月の末に来て、突如真夏の暑さにみまわれている。
 おかげで遅れに遅れていた花便りが各地から発せられた。2週間以上も遅れて、桜が満開。滝上町のシバザクラ、上湧別町のチューリップも、またたくまに満開となった。
 我が森でもエゾ紫ツツジが赤紫も鮮やかに、新緑の中で惹きつける。 1センチに満たない小型の草花も、次々咲き始め、その撮影に追われている。パソコンを使って「森の草花」という写真集を作ろうと考えているのだ。 スミレも4種類咲いている。もう間もなく5種類めのタチツボスミレも咲くだろう。 昨日小さくて可憐なフデリンドウをみつけた。
 今まで見落としていたのか、今年から我が森の仲間となったのかは判らないが、お初の花を発見する事は嬉しい。すでに絶えたと思っていたオオバナノエンレイソウも見つけた。 誰かに持っていかれたユキザサも、別の場所に蕾のついたのがあった。 明日あたり、撮影ができそうである。カメラに高感度フィルムをいれ、準備は整った。
 3日ほど前、聞き慣れない鳥の歌が森にひびいた。ぼっぼっ、ぼっぼっと太く明るく聞こえてきた。 ヤマバトでもないし、これはなんの声だろう、とあれこれ考えたがその時は思い当たらなかった。
 昨日、はっと気がついた。あれはフクロウにちがいない。早速図鑑で調べると、声の説明から判ずるに、青葉の頃にやってくるアオバズクだと思われた。  今にして悔やんでいる。声の主を確かめるべきであったと。すぐ近くで鳴いていたのだから。私の森観察はまだまだ甘い。隙がある。なおいっそう感覚と探求心を磨こう。
 これは秘密だが、ひとつの山全体にエゾ紫ツツジが咲いている場所を、つい先日はっけんした。 まさに秘密の花園だ。毎日訪れ堪能している。山を、森を、花を愛する人だけをそこに案内しよう。  明日は一気に気温が下がるとの予報だ。
 もりでの撮影会にはかえって好都合かもしれない。一見ひ弱そうだが、その実しなやかで粘り強く奥深い、様々な自然の生命達から、しっかり学ぼうと、自分に更なるテーマを与えた。


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