エッセイ41-Essay41- 1997.01

インターネット

 暮れの三十日から一月四日までパニック状態であった。脂汗を流しながら、思いつく限りの設定や各種ファイルのチェックをしたがどうやってもインターネットにつながらなかった。「だれか助けて。」紋別市が運営するパソコン通信、ガリンコネット上にもsosを発した。

 三十日に四歳の孫がきた。幼児用ゲームを二つ入れておいたが、早速ガチャガチャ動かし始めた。そしてその夜から通信がおかしくなった。一昨年も彼女がさわったあと調子が悪くなった。しかし私には、多少いじられても今では何とかなるさ、との自信があって無警戒で機械を預けたのだった。

 私は昨年四月からぼつぼつインターネットをやるようになり、七月には自費出版したエッセー集を電子情報に変えて、ホームページをネット上に公開した。

 それ以来襲いくる電話代をものともせず、毎日十四,五人が見てくれるのが嬉しくて、深夜必ずパソコンに向かった。

 内出血のため右腕にドス黒いあざが出来、肘には水がたまって大きくはれた。それでもマウスを離さなかった。いつしかインターネットに乗り出すことは私の日常に組み込まれていた。

 五日未明、通信を構成するすべてのソフトを入れ直し、何十もの設定を完了した。恐る恐る電話をつないでみると、それまでの不調がウソのようにぐんぐん情報が流れ込んできた。「やったー。」

 それにしても五十半ばを越えた私には、おもしろく便利ではあるがパソコンが創る仮想世界は精神衛生にとって、あまり良いものだとは思えない。

 あー、はやく森にいきたい。


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